赤いデスタクについての考察 その2
2015年5月18日 Death&Tax 前回問題にしたテンポの悪さをどうやって改善するのか、主にカードの取捨選択の観点から書き連ねる。
◎マナ加速による手数の確保
はじめにことわっておくが、煮えたぎる歌のような儀式系スペルについては論じない。例え色が増えてもリシャーダの港がある以上、デスタクに必要なのは恒久的に使えるマナである。そこまでしたいなら素直にドラゴンストンピィを使って気持ちよくなりましょう。
よって、この解決方法は金属モックスやモックス・ダイアモンドを採用すべきか否かという一点について語ることになる。ただし、それぞれの細かい違いが生むメリットとデメリットに関しては考察しない。ここに関しては実践の伴わない思考実験ではなく、ひたすら実戦を積み重ねることが最善だと考えているからだ。今回はあくまで二つのモックスに共通する点をメリット・デメリットとして考察を行う。
結論から言うと、自分はモックスは採用するべきではないと考えている。何故ならメリットがデメリットを上回っていると思わないからだ。具体的な理由を述べるために、まずはメリットとデメリットを簡潔に記す。
モックスを採用する明確な利点は一手速い動きである。一ターン目にサリアが着地したり目くらましをケアしやすくなり、三マナ域にアクセスしやすくなるのはやはり重要だ。若干ながら色事故の緩和にも貢献し、大変動やアルマゲドンといったリセット呪文と相性が良い。
一方、モックスを採用するデメリットは大きく分けて二つある。
一つ目はモックスが抱える安定感の無さだ。序盤の展開をスムーズにする。一見素晴らしいモノに思えるが、勿論リスクがある。それが安定感の無さ、具体的に言語化すると「後引きの弱さ」と「ハンドアドバンテージを失う」の二点だ。どちらも語るまでも無く、このモックスという一見素晴らしいものに見えるカードが一部のコンボデッキやストンピィといったデッキにしか採用されていない最大の理由である。残念なことにこのデッキには「叩きつければ勝てる」ようなパワーカードはなく、失ったアドバンテージを取り戻す術や安定性を向上させるためのキャントリップもない。
二つ目は、このカードに割くスロットの問題だ。何枚採用するのが一番リターンが大きいのか、という方が正確かもしれない。
要するに、単なるマナ加速を投入するからデッキパワーは下がる。それをどこまで許容できるのか。食べ放題のバイキングで損益分岐点について考えてしまうようなものだ。しかし、安易に三マナ域を削るという結論を出してはいけない。三マナ域が多くてテンポが悪いのをマナ加速で補おうとしているのだから当然である。下手に三マナ域を減らしたらそもそもマナ加速をする意義が薄れてしまう。
しかし、土地を削ると「土地は置けないけどモックスは置ける」だけになりかねず、相手がサイド後に無のロッドを置こうものなら一気に苦しくなる。ヘイトベアを減らすとそもそも相手がデッキパワーを十全に発揮しやすくなり、デッキの名折れだ。さりとて石鍛冶パッケージを抜くことも難しい。そもそも一枚や二枚入れ替えた程度で、一体それがどれだけのゲームで役に立つのかも不明瞭だ。ともすれば、長期戦になった際の不要なドローをする機会が一番多かったなんてことにもなりかねない。
以上の点から、自分はマナ加速という手法で問題を解決することは極めて難しいと結論づけた。
◎2マナ以下のスペルを採用する
というわけで、結局のところ自分が一番有力だと考えているのが大人しく3マナ域をシェイプアップして動きやすくすることだ。以下は空いた枠に入る可能性が高いと思われるカード三種について。
・渋面の溶岩使い
いきなりで申し訳ないような気がするが個人的には大本命。能力とその有用性について語るのは釈迦に説法なので割愛する。なのでここではもっと細かな点について述べる。
このちっぽけなショック使いは、言うまでも無く不毛の大地やフェッチランド、タルモゴイフの前に散っていく小柄な白い人間達の骸すら糧として戦場で誰かを焼き続ける。本人がまず除去られるだろ、とか無粋なことを言ってはいけない。このカードはデスタクが負ける主な理由の一つである「後手に回って押し切られる」パターンに対抗できる偉大な存在なのだ。徴募兵でサーチした後に出しやすいのも偉い。
それともう一つ、このカードを押す理由がある。コイツのクリーチャータイプが人間であるということだ。勿論気づいている人はいるだろうが、帝国の徴募兵も月の大魔術師も人間である。魂の洞窟の恩恵を最大限に受けられる上に、ささやかとはいえマナベースの構築の助けにはなる。能力を起動するための赤マナがない? 魂の洞窟とかいう無色土地を入れてるのが悪い。そうだろ?
・大歓楽の幻霊
あらゆるフォーマットで大人気の生きる紅蓮光電の柱。 ニクスへの旅とかいう外れが詰まったパックの数少ないアタリ。
ルーンの母やサリアとこいつが並べば大抵のデッキは悶絶してくれること間違いなし。赤いヘイトベアといっても過言ではない。徴募兵でサー(以下略
問題は五分以下の盤面ではむしろこっちの足を引っ張ることと、赤のダブルシンボルという色拘束のキツさ。それでも僧院の導師が幅を利かせている現在の環境なら一考の価値がある。殺意の高いマゾヒスト向けなカード。
・稲妻
歴代最高の火力。ソープロと枠を分け合うことになるので、恐らくは二枚ないし三枚程度の採用が精いっぱいだと思われる。追加の除去にも最後の一押しにも使えるが、サリアがいるとエイヴンの思考検閲者と同じくらい構えているのがバレバレな気がしてならない。むしろ太陽の槍の代わりにサイドボードへ投入するのが一番丸いかも。
アンコモン昇格おめでとう。大好きなフレイバーテキストでの再録だから四枚集めるよ。 使わないけど。
さすがにカードの知識が足りないので、コンセプトには合ってるけどみんな知らない、なんてカードは思いつきもしなかった。
個人的にはやはり渋面の溶岩使いを強く推したい。問題は、自分が帝国の徴募兵どころか月の大魔術師ですら必要な枚数を持っていないから実戦して確かめることが出来ないということだ。
最後に、三分で妄想 構築した我流の赤デスタクのリストを恥と一緒に 晒しておく。
W/U&Tax
Main 60
Lands 23
Plains 5
Mountain 1
Plateau 2
Arid Mesa 4
Windswept Heath 1
Wasteland 4
Rishadan Port 4
Cavern of Souls 2
Karakas 2
Creature 26
Mother of Rune 4
Grim Lavamancer 3
Thalia,Guardian of Thraben 4
Stoneforge Mystic 4
Serra Avenger 1
Phyrexian Revoker 3
Imperial Recruiter 2
Magus of the Moon 2
Flickerwisp 3
Artifact 7
AEther Vial 4
Umezawa`s Jitte 1
Sword of Fire and Ice 1
Batterskull 1
Instant 4
Swords to Plowshares 4
以上。マジックオリジンで帝国の徴募兵再録されないかなぁ……。
◎マナ加速による手数の確保
はじめにことわっておくが、煮えたぎる歌のような儀式系スペルについては論じない。例え色が増えてもリシャーダの港がある以上、デスタクに必要なのは恒久的に使えるマナである。そこまでしたいなら素直にドラゴンストンピィを使って気持ちよくなりましょう。
よって、この解決方法は金属モックスやモックス・ダイアモンドを採用すべきか否かという一点について語ることになる。ただし、それぞれの細かい違いが生むメリットとデメリットに関しては考察しない。ここに関しては実践の伴わない思考実験ではなく、ひたすら実戦を積み重ねることが最善だと考えているからだ。今回はあくまで二つのモックスに共通する点をメリット・デメリットとして考察を行う。
結論から言うと、自分はモックスは採用するべきではないと考えている。何故ならメリットがデメリットを上回っていると思わないからだ。具体的な理由を述べるために、まずはメリットとデメリットを簡潔に記す。
モックスを採用する明確な利点は一手速い動きである。一ターン目にサリアが着地したり目くらましをケアしやすくなり、三マナ域にアクセスしやすくなるのはやはり重要だ。若干ながら色事故の緩和にも貢献し、大変動やアルマゲドンといったリセット呪文と相性が良い。
一方、モックスを採用するデメリットは大きく分けて二つある。
一つ目はモックスが抱える安定感の無さだ。序盤の展開をスムーズにする。一見素晴らしいモノに思えるが、勿論リスクがある。それが安定感の無さ、具体的に言語化すると「後引きの弱さ」と「ハンドアドバンテージを失う」の二点だ。どちらも語るまでも無く、このモックスという一見素晴らしいものに見えるカードが一部のコンボデッキやストンピィといったデッキにしか採用されていない最大の理由である。残念なことにこのデッキには「叩きつければ勝てる」ようなパワーカードはなく、失ったアドバンテージを取り戻す術や安定性を向上させるためのキャントリップもない。
二つ目は、このカードに割くスロットの問題だ。何枚採用するのが一番リターンが大きいのか、という方が正確かもしれない。
要するに、単なるマナ加速を投入するからデッキパワーは下がる。それをどこまで許容できるのか。食べ放題のバイキングで損益分岐点について考えてしまうようなものだ。しかし、安易に三マナ域を削るという結論を出してはいけない。三マナ域が多くてテンポが悪いのをマナ加速で補おうとしているのだから当然である。下手に三マナ域を減らしたらそもそもマナ加速をする意義が薄れてしまう。
しかし、土地を削ると「土地は置けないけどモックスは置ける」だけになりかねず、相手がサイド後に無のロッドを置こうものなら一気に苦しくなる。ヘイトベアを減らすとそもそも相手がデッキパワーを十全に発揮しやすくなり、デッキの名折れだ。さりとて石鍛冶パッケージを抜くことも難しい。そもそも一枚や二枚入れ替えた程度で、一体それがどれだけのゲームで役に立つのかも不明瞭だ。ともすれば、長期戦になった際の不要なドローをする機会が一番多かったなんてことにもなりかねない。
以上の点から、自分はマナ加速という手法で問題を解決することは極めて難しいと結論づけた。
◎2マナ以下のスペルを採用する
というわけで、結局のところ自分が一番有力だと考えているのが大人しく3マナ域をシェイプアップして動きやすくすることだ。以下は空いた枠に入る可能性が高いと思われるカード三種について。
・渋面の溶岩使い
いきなりで申し訳ないような気がするが個人的には大本命。能力とその有用性について語るのは釈迦に説法なので割愛する。なのでここではもっと細かな点について述べる。
このちっぽけなショック使いは、言うまでも無く不毛の大地やフェッチランド、タルモゴイフの前に散っていく小柄な白い人間達の骸すら糧として戦場で誰かを焼き続ける。本人がまず除去られるだろ、とか無粋なことを言ってはいけない。このカードはデスタクが負ける主な理由の一つである「後手に回って押し切られる」パターンに対抗できる偉大な存在なのだ。徴募兵でサーチした後に出しやすいのも偉い。
それともう一つ、このカードを押す理由がある。コイツのクリーチャータイプが人間であるということだ。勿論気づいている人はいるだろうが、帝国の徴募兵も月の大魔術師も人間である。魂の洞窟の恩恵を最大限に受けられる上に、ささやかとはいえマナベースの構築の助けにはなる。能力を起動するための赤マナがない?
・大歓楽の幻霊
あらゆるフォーマットで大人気の生きる紅蓮光電の柱。
ルーンの母やサリアとこいつが並べば大抵のデッキは悶絶してくれること間違いなし。赤いヘイトベアといっても過言ではない。徴募兵でサー(以下略
問題は五分以下の盤面ではむしろこっちの足を引っ張ることと、赤のダブルシンボルという色拘束のキツさ。それでも僧院の導師が幅を利かせている現在の環境なら一考の価値がある。殺意の高いマゾヒスト向けなカード。
・稲妻
歴代最高の火力。ソープロと枠を分け合うことになるので、恐らくは二枚ないし三枚程度の採用が精いっぱいだと思われる。追加の除去にも最後の一押しにも使えるが、サリアがいるとエイヴンの思考検閲者と同じくらい構えているのがバレバレな気がしてならない。むしろ太陽の槍の代わりにサイドボードへ投入するのが一番丸いかも。
アンコモン昇格おめでとう。大好きなフレイバーテキストでの再録だから四枚集めるよ。
さすがにカードの知識が足りないので、コンセプトには合ってるけどみんな知らない、なんてカードは思いつきもしなかった。
個人的にはやはり渋面の溶岩使いを強く推したい。問題は、自分が帝国の徴募兵どころか月の大魔術師ですら必要な枚数を持っていないから実戦して確かめることが出来ないということだ。
最後に、三分で
W/U&Tax
Main 60
Lands 23
Plains 5
Mountain 1
Plateau 2
Arid Mesa 4
Windswept Heath 1
Wasteland 4
Rishadan Port 4
Cavern of Souls 2
Karakas 2
Creature 26
Mother of Rune 4
Grim Lavamancer 3
Thalia,Guardian of Thraben 4
Stoneforge Mystic 4
Serra Avenger 1
Phyrexian Revoker 3
Imperial Recruiter 2
Magus of the Moon 2
Flickerwisp 3
Artifact 7
AEther Vial 4
Umezawa`s Jitte 1
Sword of Fire and Ice 1
Batterskull 1
Instant 4
Swords to Plowshares 4
以上。マジックオリジンで帝国の徴募兵再録されないかなぁ……。
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