モダン戦線異常無し
2015年6月1日 晴れる屋のモダン神挑戦者決定戦が近いことに気が付いたので、それに向けた環境考察などをしてみる。
◎現在のメタゲームと各種アーキタイプについて
・仮想敵の筆頭は双子、アブザンミッドレンジ、親和の三つ。
・双子は「勝利に直結する二枚コンボ&コンボパーツまで流用したビートダウン」という強固な戦略によって常に結果を残している勝ち組筆頭候補。最近はタルモゴイフのために緑を、タシグルやアンコウのために黒をタッチしている型が多い。
・親和は上位進出率こそ周囲の警戒度によって変わるものの、使用率を考えると警戒は怠れない。しっかりとサイドボードを用意していれば勝てるが、枠を割きすぎると他のデッキへの対策がおろそかになりがちで。メインは勝てないからサイドにたっぷりと対策を用意するのか、或いはメインもある程度戦えるようにしてサイドボードを抑え目にするのか、バランス感覚が求められる。
・アブザンミッドレンジはタルキール参入後、包囲サイを始めとして環境随一のパワーカードが目一杯使えることもあって最近は勝率が安定している。突然の衰微と線の太いクリーチャーのおかげで双子に強く、他のビートダウン相手にも一回り大きいクリ―チャーを用意できることが最大の利点。ただし、トロンやスケープシフトのように手札破壊の効果が薄いコンボデッキや、盤面を無視して速やかにライフを削りきってくるバーンに弱い。とりわけトロンとバーンは新規参入者でも比較的「安価に組めて戦えるデッキ」で、愛好者も多いため無視できない。双子ほど勝率が安定しないのはこの辺りが原因である。
・トロンは双子との相性が最悪で、バーンは親和を苦手としているため上位卓に残る数は比較的少ない。とはいえバーンは親和が警戒されている場合、多少のライフゲインは苦にしないだけのスペルが揃っているので結果を残しやすい。プロツアーでもそこそこの使用者がいたことから、今後もメタゲームの一角を担うと思われる。
・Zooはバーンと同じ程度の勢力がいると思われるが、神々の憤怒を手に入れたスケープシフトや、一回り大きなクリーチャーを随時展開するアブザン相手に厳しい戦いを強いられる。たまに上位に食い込むが、余り賢明な選択ではない。
・ジャンドやマーフォークはアブザンに喰われてしまった状態なので数は少ないと思われる。ただしジャンドはメタゲームに合わせた調整がしやすいので構築次第では結果を残せる可能性がある。かつての王者だけあってそこそこの規模の大会でちらほらと見かける。
・地味に白黒トークンはイベントデッキを発売した甲斐もあって見かけることが多い。飛行戦力を横に展開でき、盲信的迫害を無理なく搭載できるため親和とメイン戦から五分の戦いが出来る数少ないデッキ。双子相手にもライフを安全圏に保ちつつコンボによる負けを防ぐことも出来る。線が細いので全体強化を引けなかったり対処されてしまうと勝ちきれないので、上位進出率は低め。
・アミュレットブルームはピーキー過ぎるので使用者は少ないが、習熟した使い手が使用すれば結果を残せることはプロツアーで証明された。対策が難しいので、今後も対策されないコンボデッキとして会場のどこかしらにはいるだろう。
・集合する中隊を活用したデッキはメタゲームの一角を占めており、その数も少なくない。まだ登場してから日が浅いこともあって、今後の調整次第ではさらに化ける可能性もある。
・日本特有(?)のメタゲームとして、赤青デルバーの根強い人気とSuper Crazy Zooの存在を一応記しておく。特に後者は他のコンボデッキに負けない速さがあるので、動き方くらいは把握しておいた方が良い。前回の神挑戦者決定戦では某殿堂入りプレイヤーが使用していたので、今回も少数ながらいる可能性が高い。赤青デルバーは機を見た援軍などのバーン対策やトークン対策の全除去が刺さるので、何を入れるか迷った時の参考にしてもいいかもしれない。
・モダンのメタゲームはしばらく現状維持が続くだろう。辛うじて双子系デッキが突出しているものの、他のデッキは構築や技量次第で十分勝算がある。下手にデッキを変えるより、使っているデッキが不利なデッキに対抗するための構築をした方が戦いやすい。極端な話、双子・アブザンミッドレンジ・親和の三つの内二つ以上に不利ではないデッキなら問題ないと言っていいかもしれない。逆にこれらのデッキにどうあがいても勝てないデッキは、分からん殺しだろうが何だろうがトーナメントを勝ち抜けないだろう。
◎余談
本気でモダン環境を勝ち抜くなら十分すぎる程に習熟して使い慣れたデッキか、誰も知らない新機軸のローグデッキを選択する必要がある。顕著な例としては、前回の神決定戦における市川ユウキ氏のデッキ選択が挙げられる。挑戦者決定戦において僧院の導師を最大限に活用したエスパーメンターは、構築から使い手の技量を含めて素晴らしかった。その後の神決定戦でも使い慣れたジャンドを見事なメタ読みで調整し、勝利を手にしたのはさすがとしか言いようがない。
以上。モダンはせっかくだから新しいデッキを組もうかな……。
◎現在のメタゲームと各種アーキタイプについて
・仮想敵の筆頭は双子、アブザンミッドレンジ、親和の三つ。
・双子は「勝利に直結する二枚コンボ&コンボパーツまで流用したビートダウン」という強固な戦略によって常に結果を残している勝ち組筆頭候補。最近はタルモゴイフのために緑を、タシグルやアンコウのために黒をタッチしている型が多い。
・親和は上位進出率こそ周囲の警戒度によって変わるものの、使用率を考えると警戒は怠れない。しっかりとサイドボードを用意していれば勝てるが、枠を割きすぎると他のデッキへの対策がおろそかになりがちで。メインは勝てないからサイドにたっぷりと対策を用意するのか、或いはメインもある程度戦えるようにしてサイドボードを抑え目にするのか、バランス感覚が求められる。
・アブザンミッドレンジはタルキール参入後、包囲サイを始めとして環境随一のパワーカードが目一杯使えることもあって最近は勝率が安定している。突然の衰微と線の太いクリーチャーのおかげで双子に強く、他のビートダウン相手にも一回り大きいクリ―チャーを用意できることが最大の利点。ただし、トロンやスケープシフトのように手札破壊の効果が薄いコンボデッキや、盤面を無視して速やかにライフを削りきってくるバーンに弱い。とりわけトロンとバーンは新規参入者でも比較的「安価に組めて戦えるデッキ」で、愛好者も多いため無視できない。双子ほど勝率が安定しないのはこの辺りが原因である。
・トロンは双子との相性が最悪で、バーンは親和を苦手としているため上位卓に残る数は比較的少ない。とはいえバーンは親和が警戒されている場合、多少のライフゲインは苦にしないだけのスペルが揃っているので結果を残しやすい。プロツアーでもそこそこの使用者がいたことから、今後もメタゲームの一角を担うと思われる。
・Zooはバーンと同じ程度の勢力がいると思われるが、神々の憤怒を手に入れたスケープシフトや、一回り大きなクリーチャーを随時展開するアブザン相手に厳しい戦いを強いられる。たまに上位に食い込むが、余り賢明な選択ではない。
・ジャンドやマーフォークはアブザンに喰われてしまった状態なので数は少ないと思われる。ただしジャンドはメタゲームに合わせた調整がしやすいので構築次第では結果を残せる可能性がある。かつての王者だけあってそこそこの規模の大会でちらほらと見かける。
・地味に白黒トークンはイベントデッキを発売した甲斐もあって見かけることが多い。飛行戦力を横に展開でき、盲信的迫害を無理なく搭載できるため親和とメイン戦から五分の戦いが出来る数少ないデッキ。双子相手にもライフを安全圏に保ちつつコンボによる負けを防ぐことも出来る。線が細いので全体強化を引けなかったり対処されてしまうと勝ちきれないので、上位進出率は低め。
・アミュレットブルームはピーキー過ぎるので使用者は少ないが、習熟した使い手が使用すれば結果を残せることはプロツアーで証明された。対策が難しいので、今後も対策されないコンボデッキとして会場のどこかしらにはいるだろう。
・集合する中隊を活用したデッキはメタゲームの一角を占めており、その数も少なくない。まだ登場してから日が浅いこともあって、今後の調整次第ではさらに化ける可能性もある。
・日本特有(?)のメタゲームとして、赤青デルバーの根強い人気とSuper Crazy Zooの存在を一応記しておく。特に後者は他のコンボデッキに負けない速さがあるので、動き方くらいは把握しておいた方が良い。前回の神挑戦者決定戦では某殿堂入りプレイヤーが使用していたので、今回も少数ながらいる可能性が高い。赤青デルバーは機を見た援軍などのバーン対策やトークン対策の全除去が刺さるので、何を入れるか迷った時の参考にしてもいいかもしれない。
・モダンのメタゲームはしばらく現状維持が続くだろう。辛うじて双子系デッキが突出しているものの、他のデッキは構築や技量次第で十分勝算がある。下手にデッキを変えるより、使っているデッキが不利なデッキに対抗するための構築をした方が戦いやすい。極端な話、双子・アブザンミッドレンジ・親和の三つの内二つ以上に不利ではないデッキなら問題ないと言っていいかもしれない。逆にこれらのデッキにどうあがいても勝てないデッキは、分からん殺しだろうが何だろうがトーナメントを勝ち抜けないだろう。
◎余談
本気でモダン環境を勝ち抜くなら十分すぎる程に習熟して使い慣れたデッキか、誰も知らない新機軸のローグデッキを選択する必要がある。顕著な例としては、前回の神決定戦における市川ユウキ氏のデッキ選択が挙げられる。挑戦者決定戦において僧院の導師を最大限に活用したエスパーメンターは、構築から使い手の技量を含めて素晴らしかった。その後の神決定戦でも使い慣れたジャンドを見事なメタ読みで調整し、勝利を手にしたのはさすがとしか言いようがない。
以上。モダンはせっかくだから新しいデッキを組もうかな……。
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