Nonself-difference DECK
2015年6月6日 先日のGP千葉で併催された日本レガシー選手権2015・春のトップ8に残ったプレイヤーの方々のデッキリストが公開された。その中に面白そうなデッキを見つけたので思ったことを書き連ねてみる。
URカウンターバーン、と呼ぶのが一番正しいだろう。しかし、随所に細やかな調整の跡や既存のものに捉われない発想が垣間見えるリストだ。とりあえず、目に付いた部分を一つずつ考察していく。
◎土地
先ず、23枚というのは大半のUW奇跡よりも多い。不毛の大地がフル投入されていることを差し引いても、このデッキが土地を伸ばすことを重視していることが分かる。特にデュアルランドがフル投入されている上にショックランドまで追加されているのは極めて珍しい。恐らく、デッキの中に赤のダブルシンボルを必要とするスペルがなく、ミシュラランドが投入されていることも加味して山よりも優先されていると思われる。
また、ミシュラランドについてだが、こちらは環境に一定数存在するUW奇跡への解答の一つだと見ることが出来る。より正確に言うなれば、メインクロックである真の名の宿敵への対処が容易なデッキに対する一種のアンチテーゼなのだろう。ブロック時には3/3になるので、着地してしまうと対処しづらいアンコウやタシグルをブロックしつつ火力で落としやすいのも利点の一つだ。
◎クリーチャー
瞬唱が四枚であることが一番特筆すべき点だろう。このカードが優秀であることは疑いようもないが、レガシーのあらゆるデッキで2枚前後の採用に留まっている理由は重いからだ。2マナ+αはいくらインスタントタイミングで動けるからといって、そう簡単に払えるコストではない。しかも環境は死儀礼のシャーマンが蔓延り、不毛の大地が闊歩している状態だ。容易に土地を伸ばせるようにすればマナフラッドの危険が高まるし、そもそも瞬唱でフラッシュバックすべきスペルの枠を圧迫してしまう。
翻って、このデッキは23枚の土地と九枚もの火力を採用し、1マナのインスタントを計19枚も投入している。火力に対するシビアなバランス感覚を要求される色構成故に、瞬唱を最大限生かす構築を目指したのかもしれない。鶏が先なのか卵が先なのかという話になってしまうが、メインクロックである真の名の宿敵をキャストしやすいという利点もある。
◎ノンクリーチャースペル
一番目を惹くのは三枚投入された噴出の稲妻だろう。 噴出と見間違えて「禁止解除レガシーかな?」と思った人は絶対にいると思う 序盤はショックとして死儀礼やデルバー、石鍛冶に撃ち込み、土地が並んだ後半はキッカーして相手を焼き払う算段なのだろう。Chain LightningやForked Boltではなく、あえてこのカードを選択した理由は、マナが余る後半を見据えてのもの
である、と考えることしかできない。
もみ消しが三枚なのは相手のフェッチに唱えるよりも、不毛の大地から自分のランド(特にミシュラの工廠)を守ることの方が有益で、尚且つ石鍛冶の神秘家への解答である火力や呪文嵌め等が大量に投入されているからだろう。
呪文貫き、呪文嵌め、対抗呪文が2枚ずつなのは興味深いが、この辺りは調整の仕方や好みの問題になってくる。呪文貫きは序盤の攻防と対コンボを見据えており、呪文嵌めはやっかいな石鍛冶やゴイフに当てるためにこの枚数なのだろう。逆に対抗呪文はデッキが遅いので、相手もマナが余るであろう後半戦の確定カウンターとして必要になってくる。初手にあってもこの土地の枚数なら腐ることもないはずだ。
電解と火+氷は、何というか反応に困る。前者はエルフがトップメタから追いやられ(日本最強のエルフ使いがしれっとTOP8に残っているが)、特段未練ある魂が流行っているわけでもないから強そうには見えないし、後者に関してはコメントのしようがない。可能性としては、このデッキが見た目よりすれすれのダメージレースをするからか、リアニメイトされた生物に対する時間稼ぎといったところだが、それならバウンスか乱暴+転落で良い気もする。
神ジェイスはもう少し多めでもよさそうだが、このデッキは確定除去がないのでなまじ序盤の捌きあいに負けて火力圏外のゴイフに着地されたら真の名の宿敵に辿り着かない限りまずひっくり返せない。そのためキープ基準にならず、腐る可能性が高いので余計な枚数は積みたくないものと思われる。時を超えた探索の枚数も同じような理由だろう。長引かせればそのうち辿り着くのだから、初手にあると困るカードはこのくらいの枚数でちょうどいいのかもしれない。
◎サイドボード
墓地対策を大祖始の遺産などではなく外科的摘出のみに絞っているのは中々思い切った選択だ。特にリアニやANT、緑の太陽の頂点を使う緑系のデッキに有効な墓堀りの檻では無い理由は如何なるものなのだろうか。ケアしづらいカードではあるので、瞬唱でFBできることも含めて墓地対策は特定のマッチアップに対するものだけ、と割り切ったのかもしれない。
世界のるつぼは不毛の大地を使いまわすだけで勝てるマッチアップや、消耗戦の中でも手札を減らさずに土地を伸ばすために投入されているのだろう。工廠をひたすらチャンプブロックさせて時間を稼ぐのも悪くない。BG系には突然の衰微があるが、他のマッチアップならアーティファクト破壊がサイドインされない可能性が高く、信頼に足るアドバンテージ源になり得る。
以上。色々と的外れなことを書いたかもしれないけど気にしない精神が大事。
デッキリストはこちらの一番下
http://coverage.mtg-jp.com/gpchi15/decklist/015155/
URカウンターバーン、と呼ぶのが一番正しいだろう。しかし、随所に細やかな調整の跡や既存のものに捉われない発想が垣間見えるリストだ。とりあえず、目に付いた部分を一つずつ考察していく。
◎土地
先ず、23枚というのは大半のUW奇跡よりも多い。不毛の大地がフル投入されていることを差し引いても、このデッキが土地を伸ばすことを重視していることが分かる。特にデュアルランドがフル投入されている上にショックランドまで追加されているのは極めて珍しい。恐らく、デッキの中に赤のダブルシンボルを必要とするスペルがなく、ミシュラランドが投入されていることも加味して山よりも優先されていると思われる。
また、ミシュラランドについてだが、こちらは環境に一定数存在するUW奇跡への解答の一つだと見ることが出来る。より正確に言うなれば、メインクロックである真の名の宿敵への対処が容易なデッキに対する一種のアンチテーゼなのだろう。ブロック時には3/3になるので、着地してしまうと対処しづらいアンコウやタシグルをブロックしつつ火力で落としやすいのも利点の一つだ。
◎クリーチャー
瞬唱が四枚であることが一番特筆すべき点だろう。このカードが優秀であることは疑いようもないが、レガシーのあらゆるデッキで2枚前後の採用に留まっている理由は重いからだ。2マナ+αはいくらインスタントタイミングで動けるからといって、そう簡単に払えるコストではない。しかも環境は死儀礼のシャーマンが蔓延り、不毛の大地が闊歩している状態だ。容易に土地を伸ばせるようにすればマナフラッドの危険が高まるし、そもそも瞬唱でフラッシュバックすべきスペルの枠を圧迫してしまう。
翻って、このデッキは23枚の土地と九枚もの火力を採用し、1マナのインスタントを計19枚も投入している。火力に対するシビアなバランス感覚を要求される色構成故に、瞬唱を最大限生かす構築を目指したのかもしれない。鶏が先なのか卵が先なのかという話になってしまうが、メインクロックである真の名の宿敵をキャストしやすいという利点もある。
◎ノンクリーチャースペル
一番目を惹くのは三枚投入された噴出の稲妻だろう。
である、と考えることしかできない。
もみ消しが三枚なのは相手のフェッチに唱えるよりも、不毛の大地から自分のランド(特にミシュラの工廠)を守ることの方が有益で、尚且つ石鍛冶の神秘家への解答である火力や呪文嵌め等が大量に投入されているからだろう。
呪文貫き、呪文嵌め、対抗呪文が2枚ずつなのは興味深いが、この辺りは調整の仕方や好みの問題になってくる。呪文貫きは序盤の攻防と対コンボを見据えており、呪文嵌めはやっかいな石鍛冶やゴイフに当てるためにこの枚数なのだろう。逆に対抗呪文はデッキが遅いので、相手もマナが余るであろう後半戦の確定カウンターとして必要になってくる。初手にあってもこの土地の枚数なら腐ることもないはずだ。
電解と火+氷は、何というか反応に困る。前者はエルフがトップメタから追いやられ(日本最強のエルフ使いがしれっとTOP8に残っているが)、特段未練ある魂が流行っているわけでもないから強そうには見えないし、後者に関してはコメントのしようがない。可能性としては、このデッキが見た目よりすれすれのダメージレースをするからか、リアニメイトされた生物に対する時間稼ぎといったところだが、それならバウンスか乱暴+転落で良い気もする。
神ジェイスはもう少し多めでもよさそうだが、このデッキは確定除去がないのでなまじ序盤の捌きあいに負けて火力圏外のゴイフに着地されたら真の名の宿敵に辿り着かない限りまずひっくり返せない。そのためキープ基準にならず、腐る可能性が高いので余計な枚数は積みたくないものと思われる。時を超えた探索の枚数も同じような理由だろう。長引かせればそのうち辿り着くのだから、初手にあると困るカードはこのくらいの枚数でちょうどいいのかもしれない。
◎サイドボード
墓地対策を大祖始の遺産などではなく外科的摘出のみに絞っているのは中々思い切った選択だ。特にリアニやANT、緑の太陽の頂点を使う緑系のデッキに有効な墓堀りの檻では無い理由は如何なるものなのだろうか。ケアしづらいカードではあるので、瞬唱でFBできることも含めて墓地対策は特定のマッチアップに対するものだけ、と割り切ったのかもしれない。
世界のるつぼは不毛の大地を使いまわすだけで勝てるマッチアップや、消耗戦の中でも手札を減らさずに土地を伸ばすために投入されているのだろう。工廠をひたすらチャンプブロックさせて時間を稼ぐのも悪くない。BG系には突然の衰微があるが、他のマッチアップならアーティファクト破壊がサイドインされない可能性が高く、信頼に足るアドバンテージ源になり得る。
以上。色々と的外れなことを書いたかもしれないけど気にしない精神が大事。
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